この記事は「VRoid→MMDが楽になりました」の続きになっています。
VRMtoPMXExporter(以下VRMtoPMX)で出力したモデルはそのままでもMMDで読みこめるのですが、実際に作品を作る場合はPMXエディタでの修正がほぼ必須です。
今回は一例として、ダンスモーションを流し込むモデルのセットアップでやっていることを書いてみます。
割とあやふやな知識で行っているので、アドバイス等がありましたらTwitterやマシュマロで教えていただくと助かります。
(ちなみに、物理演算に関することはまるでわからなかったのでカットしてます。)
12/23 VRMtoPMXがv0.3.3にバージョンアップしました。
Furiaさん気が利きすぎる。いつもありがとうございます!
VRMtoPMXの最新版を使っていたら、この記事のサイズ変更、表示先の指定、エッジ設定の作業が必要なくなっているはずです。
捩ボーンと親指0ボーンも入ったので、準標準ボーン追加プラグインが必要なケースも減ったと思います。
ブログは過去の記録と参考のためこのままにしておきますが、じゃんじゃん読み飛ばしてください。

お借りしたモデルはhonoru様の楓栞さん、衣装はジョー様のカラードレスです。
モデルを編集する前に、バックアップを取っておくが吉です。
◆プラグインの導入
この記事では各作業ごとにプラグインをおすすめしていますが、プラグインの導入・使用方法はこちらを参考にしてください。
プラグインが上手く読みこめなかった場合は、こちらの手順を試すといいかも。
今回の記事では各プラグインの使い方まで詳しく説明していませんが、Readmeを読めば大丈夫だと思います。
◆サイズ変更

VRMtoPMXで出力したモデルは標準的なMMDモデルより小さめです。
モーショントレースに使われるモデルとの体格差や、ステージとの兼ね合いを考えると、もう少し大きくしたほうが都合がいいです。
サイズの変更には、プラグインの身長158㎝や、Pmx編集画面の編集 > プラグイン > System > サイズ変更が使えます。

サイズは1.2~1.4倍くらいするといい感じっぽいです。
◆使わないボーンを非表示に
使う予定のないボーンは誤操作を防ぐためにも非表示にします。基本的に英語ボーンを非表示にすればいいです。
ボーンタブで非表示にするボーンをまとめて選択>性能の表示ボタンを押してチェックを外してください。

英語ボーンは非表示にしてOKと書きましたが、例外として物理演算の焼きこみっぽいことをしたい場合は、物理演算で動く「HairJoint」「Skirt」等の単語が含まれるボーンを表示させておきます。
◆ボーン構成の整理と表示先の指定
プラグインの標準ボーンチェッカーでボーンの構成を整えます。
ボーン名長さチェックで穏やかじゃない画面が出ますが、英語ボーンを使う予定がないならたぶん大丈夫です。(HairJoint等を使う場合は名前を短くしたほうがいいかも.。)
ボーンの並び替えや階層0化も「はい」を押して実行します。

標準ボーンチェッカーは主要ボーンの表示先も設定してくれます。
髪や指のボーンの表示先も設定したい場合は、ボーンをまとめて選択して表示先(>)欄にある<<ボタンを押すと、ボーンの親子関係に基づいて表示先を指定できます。

手作業で設定する場合は、表示先(>)欄のボーンに表示先にしたいボーンの番号を入力するか、相対でXYZの相対的な位置を指定します。
先ボーンが存在する場合は先ボーンをハンドルで動かせばいいです。
といっても今回はモーションを流し込むだけなので、指や髪の表示先まで丁寧にやらなくてもいいという考えも。
とにかく前を向いている表示先が気に食わんという方は、ボーンを全て選択した後に相対のZ軸ボックスに0を入力すればいいです。

◆表示枠の編集

MMDのこの部分を作る作業です。(色は違いますが普通のMMDです。)
人によって使いやすい表示枠は違うので、お好みのモデルを参考にしましょう。
表示枠の編集はPMX編集画面の表示枠タブから行えます。
基本的な操作はこちらが参考になるかと。
プラグインを使うと枠の作成とボーンの登録を自動で行ってくれるので便利です。
モデル一体くらいなら表示枠を自作してもいいですが、特に複数作る場合はプラグインの恩恵が大きいです。
私が使っているのは闇鍋プラグインの「標準ミクさんの表示枠の作成とボーンの登録」ですが、ボーン表示枠並べ替えプラグインというものもあります。
プラグインの実行前に、最初からあるボーン枠を削除しないとボーンの登録ができないことがあります。ご注意を。
◆準標準ボーンの追加
いまどきの配布モーションは準標準ボーンが必須なことも多いので、準標準ボーン追加プラグインを使っておきます。
通常は各モーションのReadmeに記載されている必須ボーンにチェックを入れればOKです。
私は汎用性のために操作中心と手持ちアクセサリ用ダミー以外のボーンも全て追加しています。
稀に握り拡散ボーンを使うモーションもあるので、そちらも必要に応じて。
◆エッジ設定
VRMtoPMXで出力したモデルにはエッジがないので、必要な場合はPMXEでエッジの設定をします。
MMDにおけるエッジと設定方法はこちらが参考になります。
VRoidモデルにエッジをつけると地面影も表示されるようになります。

(画像ではドレスにだけエッジをつけてないので、素体部分の影しか出てませんが……。)
地面影はSoftShadow等のエフェクトで出すこともできるので、作風によってはエッジなしのままでもいいです。
◆材質の結合
たくさんある髪の材質を整理します。エフェクトを材質ごとに割り当てる方はやったほうがいい作業です。
材質タブで同じテクスチャを使っている材質をまとめて選択 > 右クリックから材質の結合をします。

メッシュやリボンなど、違うテクスチャを使用している材質は必ず違う材質に分けるよう注意してください。
ついでに材質名を日本語にしておくと、割り当ての時にストレスフリーです。
◆材質色調整
色の調整については以前書いた記事の後半で解説しています。
余談ですが、私の記事は他記事へのたらい回しが多くてちょっとすまなく思ってます。
◇多段化のすゝめ
秘密結社多段ボーンとか言われてますが多段ボーン怖くないです!
モーション修正で打つキーフレームがぐっと減るので、むしろ初心者の方におすすめしたいのですが、最初の説明がややこしいのは確か……。
調整ボーン作成プラグイン配布【PMXEditorプラグイン】
例えばこちらの動画を見てみて、使えそうな気がしたらぜひお試しください。
◆あとがき
ここまでお読みくださった方、お疲れ様でした。
不思議とVRoidからMMDを始める方が多いのですが、ここまでの改造をしてやっと普通に使えるVRoidモデル、正直初心者向けではないです。
VRoidの顔だけMMDで使いたい場合は、PMXEでお着替えしたほうが楽かもしれません。
そして、今回は物理演算にノータッチだったので調整の本番はむしろこれからとも言えます。
VRMtoPMXはver3.0からVRoid Studioで設定した髪の揺れをある程度MMDに持ち込めるようになりましたが(とてもとてもすごい)、剛体とJointの調整がかなり大変、というか私は何をしたら目の前で暴れている髪を抑えられるかさっぱりわかりません。
現時点でPMXデータのモデル検証をしてもすごいことになってます。
剛体・Jointは必要に応じて自分で入れたほうが良いのかも……と思いつつ。物理演算が得意な方のご意見をお待ちしております。
12/18 追記
VRMtoPMXがバージョンアップして物理演算の構成がシンプルになったそうなので、今やったらまた違うかも。
最後になりましたが、お世話になった各ツール・プラグイン製作者と解説記事の筆者の皆様に多大なる感謝を。
側近Q